作品記録

映画、音楽、小説について

映画「羊と鋼の森」について

 

 

こんばんは

 

今日は映画を観に行きたいと思い

映画を探してたのですが

なかなか観たい映画がなくて

行き当たりばったりで一番近くの映画館で

時間的に丁度いい映画を観ました

 

映画「羊と鋼の森」です

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昔はTSUTAYAでよくジャケだけで映画やCDを

借りていたのでその時のようなドキドキ感で

映画館に入りました

 

前情報は予告や広告で何度か目にした程度で

ピアノ調律師の話」としか知りませんでした

 

 

一応公式のリンク貼っておきます

知らない方は是非

hitsuji-hagane-movie.com

 

 

またあらすじやキャストを知らない人は

是非ご覧ください↑↑↑

 

 

それでは感想についてです

あくまで個人の感想なので怒らないでください

 

 

 

 

簡単に言ってしまえば

 

景色と音はいい。

他はそこそこ、、、

 

といった感想でした

 

 

 

 

  • 良かった点

良かった点からお話させてもらいます

 

1、エンディングテーマ「The Dream of the Lambs」

 

まずエンディングテーマで久石譲辻井伸行がコラボしています

この曲は久石譲が作曲、編曲をし、辻井伸行が演奏しており

曲名は直訳すると「子羊たちの夢」となります

映画にぴったりの美しく優しい曲に感じました

 

 

自分はバンド構成の曲を聴くことがほとんどなので

ピアノやオーケストラの事については無知ですが

この曲を映画館でエンドロールで聴きたい

という思いもありこの映画を観たのも理由の一つです

 

 

やはりキタノ映画が好きな私からすれば久石譲が音楽を担当している時点で

見る価値ありという感じでした

案の定すごく映画の世界観にそっておりその中でも優しさの中に奥深さのあり

キャラクターを感じるそんな曲でした

 

 

ピアノのことはさっぱりですが

辻井伸行さんの演奏は素晴らしく無駄のない美しいものでした

この素晴らしいお二人が共演しているということだけあって

すごく感動し「エンドロール=余韻」の私からすれば至福の時間でした

 

 

 

2、演奏

この映画では演奏シーンが多く描かれているが

どれも飽きない工夫がされている

 

聴覚的にもちろん「完璧な演奏で当然」という感じで

我々は普段音楽を聴き映画を観ると思いますが

これは「調律師」の話ですし演奏者も

地方のピアノ好きな少女から

世界的に有名な音楽家まで

幅広くいます

 

その中で要は「違い」を見せなければならない

また我々素人はピアノの調子まで気にしなければならない

 

そこまでしてはじめてシビアに音を聴かせる

ということが観客にできるのかなと思いました

 

 

もちろん音楽が中心の話ですから演奏が重要なのは

当たり前なんですが私はその映し方やキャラの心情を

うまく音で表現できていたんじゃないかと思いました

もちろん素人なのでプロの方がみればまったくのものなのかもしれませんが、、、

 

 

現にライブハウスでエルレを演奏してましたが

バンド経験のある私からすれば映像と演奏に

違和感を感じたし選曲や

「なぜここでエルレのコピバン??」って感じでした

なんらかの意味があったとしても

なんか痛いバンドマンたちな感じがして嫌でした

 

 

それにしても俳優さんはすごいですね

演奏しながらもしくはしたフリをしながら

顔や体で演技をしなければならない

 

 

プロの演奏家たちでさえ

精神をコントロールすることはなかなか難しい

と言われているのにすごいなと思います

 

 

 

3、風景

 

北海道の旭川で撮影していたのかな

間違ってたらすみません

 

でもすごくきれいな景色

演奏中も景色でキャラの心情を表現していた

 

そんな風景の中にも四季があったりさまざまな

色や構図の工夫がされていた

 

特に明るさに関していろいろ感心しました

森を映している場面で暗く光があまりないと

どうしても「不気味」な印象を与えてしまう

 

でも色味やカメラの動き、音を利用して

「悲しく切ない」ような印象のほうが強くなる

 

 

風景の活かし方がすごくうまいなあと思った上に

北海道の景色のきれいさにびっくりしました

 

 

あとこれは風景とは少し違いますが

ピアノは白黒なのが基本だと思います

中身はそうではないですが基本目立つ色はないです

 

映画の全体的な建物や服なども派手な色はなく

人工的な色味というよりも静かな色が多かったです

 

 

なのでより紅葉や花の赤や空の青さや緑などが

冴えてきれいなものに見えたと思いました

 

 

 

  • 悪かった点

個人的に「ここはどうなんだ」とおもった点です

 

 

1、台詞

小説が元だからなのかこういう意図なのかは

わからないんですが、

すごく会話的ではないリアルではないように感じました

 

小説を読んでいる分には気になりませんが

実際に会話の中でそういうセリフが出てくる

 

 

決め台詞ならまだいいのですが

明らかに「ここで私が話しています」って感じが

すごく違和感でした

役者さんに問題はなく演出というかそういう世界観が

すごく苦手でした

 

 

2、過度な表現

 

CGというとあっているのかわかりませんが

先ほど映像がきれいという話をしましたが

それならばなぜ非現実な表現をするのかなと思いました

 

 

音楽を聴いて森をイメージするシーン

それ自体の発想は悪くないんですが

音を聴いて「はッ」とし森をイメージし始める

大げさで森の中に急に移動したみたいな演出

もっと現実的な表現がなかったのかなと思いました

 

ほかにも水面をはじくような演出がありましたが

少し違和感を感じました

実際に水をはじくようなタッチなのかもしれないし

それほど軽やかな演奏や音なのは確かですが

別に水面を指ではじいてる映像はいらなくないか、、、

とか思ってしまいました

 

 

映画の中で音楽を聴いたキャラがなにを思い何を考えたか

それを客である私たちと一致させる必要があるため

中々に大変だったと思うんですが

そこまで過度だとちょっと行きすぎかなと思いました

 

 

 

3、キャラ

 

魅力的なおっさんが二人もでていたなあと思いましたがこの映画の最大の謎が

「キャラと客の関係が浅い」ということだと思います

 

 

所要な人物には最低限のスポットライトがあてられていましたが

触れるだけ触れといて放置かい

という展開があまりに多かったような印象です

 

 

たとえば家族を亡くし愛犬も失った男の子

ありがちな感動設定とは思いますが

やるだけやっといてなんだもう触れないんかいとか。

 

それが主人公の「コンサートと家庭のピアノに差はない」とかの

動機付けになっているのかと思えば

最後に主人公のあのセリフでしょ、、、

なんかそういうのがいっぱいある

 

 

面倒見のいい上司の柳だってそうメトロノームが好きとか言っときながら

全然意味わかんないし共感できないし

主人公も「へー」みたいな感じで話し聞いてるし

その設定いる??って感じでした

ドラマーならメトロノームがないとダメなくらい異常な神経質者は

バンドでエルレなんかやりません

ジャズやクラシックのドラムやりなさいといった感想

調律師にメトロノーム関係ないし

 

 

 

できる弟くんやバーのナルシ野郎もそう

いろんな個性が結局共感できないものといて

もやもやしたまま終わりました

 

 

 

  • まとめ

 

良い点と悪い点を書きました

とりあえずヒューマンドラマなのでこまかい設定や伏線などは

あまり説明しませんでしたが

単純に自分好みではなかったです

 

 

もう見ることはないでしょうね、、、

 

 

ただ素敵なセリフが何個かありました

台詞というのはシーンがあってのものなので

ここでは細かく説明しても伝わらないので

あえて簡単に紹介しますが

原民喜という人の詩を引用していたり

「ピアノを食べて生きていく」

などインパクトがあり後で意味を考える台詞が

何個かあったのはよかったです

 

 

ピアノという楽器は特殊なものなのかなと思いました

音楽をやってるわたしからすれば

その仕組みや音階の事など少しの知識はあるにしろ

楽器に宿る「念」の量が他とは違うと思いました

 

 

家族代々弾き継いだものもあるだろうし

小さいころにピアノをやっていて挫折した人も

ほかの楽器に比べて多い気がします

 

そういった家具とまではいかないにしろ生活として

自分に寄り添ってきたものだからこそ

その楽器がかなでる音は思いが乗るのではないかと

思いました

 

 

 

つたない文章になりましたが

読んでいただきありがとうございました